粗忽長屋で蒟蒻問答

無駄な方便、無用の用、脳味噌を棚卸する、そんな雑草咄しと落語と書見

熱唱

さきほど、帰宅中に、ひとけのない夜道をひとり歩いていたときの出来事である。

向かいから、自転車に乗った高校生が、イヤホンをして、熱唱しながら近づいてきた。

こちらに気づいていないのだろう、歌声に力がこもっている。

が、すれちがいざま、ようやくこちらの存在を察知し、急に恥ずかしくなったのか、トーンが下がり、申し訳なさそうに、細く、小さくなっていった。

それで走り去っていったのだが、やはり、笑みがこぼれてしまった。

遠慮せずに、さいごまで歌い切ればいいものを、と思いつつ、よかったのが、相の手と思われる部分まで、ていねいに声に出していたところだ。

 

ウォウ、ウォウ……と、こちらも、ちょっと口にしてみる。

うん、やっぱり恥ずかしい。

でも、なんだか、じんわりとしてしまった。

 

補記:以前に、なにかの投稿動画で「ボンジョビおじさん」というのを観たことがあるのだが、あれはおもしろかった。大仰だが、世界平和というものを感じた動画であった。