【読書】書見寸評
今回は、最近、行きつけの呑み屋で落語に関心を持ち始めた常連客に、落語の世界をざっと知ることのできる「初心者におすすめの、いい本ないの?」と訊かれたので、3冊ほど見つくろって紹介させていただこうと思います。 選定にあたっては、出版発行年の新し…
当ブログの【読書】カテゴリーをリニューアル・リライトしました。 リニューアルに際してあらたに推しの1冊として、ポール・オースター編、柴田元幸他訳『ナショナル・ストーリー・プロジェクトⅠ・Ⅱ』(新潮文庫、2009年)をご紹介。 こちらの本、当ブログ…
コミックス刊行ならび映画公開から40年ほどを経てもなおリアルタイム感を損なわない強度を誇る、かつ、いまなお日本のマンガ、アニメーション作品の頂点に位置しているといっても過言ではないマスターピース。 圧倒的な画力、クールな音像性、そして最高に…
音楽に関心のある人なら、どなたでもおそらく気になるであろう話題。 すでに楽器をやっている人も、やっていない人も、数ある楽器のなかで自分と相性のいい楽器はどれなのか? ──関心をそそるお題ではないでしょうか。 この自分にとっての「運命の楽器」とは…
モワッと感じているツカミどころのない考えが、あらわれては消え、流れ去ってはぶり返す、といったことが誰しもあるかもしれません。 こういったとらえどころのない想念の曇り空を晴らしてくれるのが"気づき"ということになるのでしょうが、そして、そんな…
都会の雑踏や繁華街の喧騒からはずれてふと裏路地などに入ったときに、ふいにあらわれたヒト気のない濃密な静寂に呑まれて、「この世界に自分ただ一人だけが存在している」といった感覚に打たれた経験はないでしょうか。 もしも、そんな静謐で、ある意味で"…
個人的に問答無用の推しの一冊で、当ブログのコンセプトの一端ともなった本を紹介します。 寺田寅彦『柿の種』(岩波文庫、1996年)はあまり本に馴染みのない人でもすっと入り込める短文集で、一方で、本の虫や活字中毒者の方々には一服の清涼剤のようなもの…