粗忽長屋で蒟蒻問答

無駄な方便、無用の用、脳味噌を棚卸する、そんな雑草咄しと落語と書見

【読書】書見寸評

日々の暮らしの閑つぶしになる本たちを独断と偏見で節操なくあげつらう読書記録。興味のおもむくままに、なんとはなしにイイ意味で"ひっかかった"本を選んでいます

【読書】"事実は小説より奇なり"のアメリカ的集成──『ナショナル・ストーリー・プロジェクト Ⅰ・Ⅱ』(ポール・オースター編)

当ブログの【読書】カテゴリーをリニューアル・リライトしました。 リニューアルに際してあらたに推しの1冊として、ポール・オースター編、柴田元幸他訳『ナショナル・ストーリー・プロジェクトⅠ・Ⅱ』(新潮文庫、2009年)をご紹介。 こちらの本、当ブログ…

【読書】健康優良不良少年たちが闊歩するドープな近未来的世界 ──『AKIRA』(大友克洋)

コミックス刊行ならび映画公開から40年ほどを経てもなおリアルタイム感を損なわない強度を誇る、かつ、いまなお日本のマンガ、アニメーション作品の頂点に位置しているといっても過言ではないマスターピース。 圧倒的な画力、クールな音像性、そして最高に…

【読書】あなたの「運命の楽器」はどれか? ──『オーケストラ楽器別人間学』(茂木大輔)

音楽に関心のある人なら、どなたでもおそらく気になるであろう話題。 すでに楽器をやっている人も、やっていない人も、数ある楽器のなかで自分と相性のいい楽器はどれなのか? ──関心をそそるお題ではないでしょうか。 この自分にとっての「運命の楽器」とは…

【読書】漫然と考えていることを何気なくあぶり出してくれることばたち ──『知の百家言』(中村雄二郎)

モワッと感じているツカミどころのない考えが、あらわれては消え、流れ去ってはぶり返す、といったことが誰しもあるかもしれません。 こういったとらえどころのない想念の曇り空を晴らしてくれるのが"気づき"ということになるのでしょうが、そして、そんな…

【読書】この世界にたった一人で存在すると感じられる瞬間の、そんな「しん」とした静謐さを生起させる美しい文章 ──『旅をする木』(星野道夫)

都会の雑踏や繁華街の喧騒からはずれてふと裏路地などに入ったときに、ふいにあらわれたヒト気のない濃密な静寂に呑まれて、「この世界に自分ただ一人だけが存在している」といった感覚に打たれた経験はないでしょうか。 もしも、そんな静謐で、ある意味で"…

【読書】当たり前だと思うことに慈しみある「なぜ?」を向ける、元祖つぶやきの書 ──『柿の種』(寺田寅彦)

個人的に問答無用の推しの一冊で、当ブログのコンセプトの一端ともなった本を紹介します。 寺田寅彦『柿の種』(岩波文庫、1996年)はあまり本に馴染みのない人でもすっと入り込める短文集で、一方で、本の虫や活字中毒者の方々には一服の清涼剤のようなもの…