男女の出逢いがマッチングアプリ全盛となった現代にあっては、あるのかどうかも疑わしい、もの珍しい"恋わずらい"を題材にした演目「崇徳院(すとくいん)」。 古風な題材ですが、雅味があり、江戸時代のほのぼのとした、微笑ましいムードを感じさせる小題…
先日、呑み屋で興味深い話を聞いた。 といっても個人的に食指が伸びた話、というだけであって、笑い話や与太話ということではない。 呑み屋というところでは、まあ、おおかたはくだらない話をするものである。 馬鹿っぱなしや下ネタなどを好んでするところが…
今回は、最近、行きつけの呑み屋で落語に関心を持ち始めた常連客に、落語の世界をざっと知ることのできる「初心者におすすめの、いい本ないの?」と訊かれたので、3冊ほど見つくろって紹介させていただこうと思います。 選定にあたっては、出版発行年の新し…
落語のなかの奇想天外、シュールな噺は江戸前のほうに多いといわれますが、この「首提灯(くびぢょうちん)」という噺もそれにあたります。 意味深なタイトルで、一見すると怪談を想起するかもしれませんが、そこは一味違います。奇々怪界であることにはかわ…
当ブログの【読書】カテゴリーをリニューアル・リライトしました。 リニューアルに際してあらたに推しの1冊として、ポール・オースター編、柴田元幸他訳『ナショナル・ストーリー・プロジェクトⅠ・Ⅱ』(新潮文庫、2009年)をご紹介。 こちらの本、当ブログ…
あらたに記事カテゴリー「【読書】書見寸評」をリニューアル・リライトしました。 読書案内記事群となります。 書評というほど堅苦しくはなく、日々の閑つぶしになる本たちを独断と偏見であげつらった、イチ読本おすすめ記事たちです。 興味のおもむくままに…
呑み屋でこんな話を聞いた。 数年前からソロ・キャンプを趣味とするお客がいて話をしたのだが、最初のうちはいろいろなキャンプ場へと足繁く通っていたが、最近はほぼ一択、いちばん気に入っている、とあるキャンプ場にしか行かなくなったという。 この趣味…
近所に美味いナポリタンを食わせる喫茶店がある。 たまにふと思い出しては無性に食いたくなる味で、先日、ぽかりと空いた時間ができたので、舌先に誘われるまま、ふらりと立ち寄ってみた。 最近は若者のあいだで昭和レトロ風というものが流行っているそうだ…
落語のなかでも、よく知られた演題であるこのお噺し。江戸寄席で「こんにゃく問答」、上方落語では「もち屋問答」と呼ばれ、噺家のなかでも客ウケが良いとされる、華やかな名作といわれています。 登場する人物たちもみな個性的で、噺のスジもよく練られてお…
この噺、大袈裟なもの云いになるかもしれませんが、落語的発想の粋を集約したような超現実的なおはなしとなります。 しかも「ボケ」の究極形といえるかもしれない一言が飛び出す、瞠目すべき展開と落ち(サゲ)。 落語の世界の扉を開ける最初の一話としても…
休日の昼下がり。 とくにやることもなし、居間でトドのようにゴロゴロしていたところ、なにやらカミさんの癇に障ったのか、叩き起こされて、どこかに出かけてこいと言われる。 と言われても、行きたいところもなし、どうしようかなと逡巡しつつも、そういえ…
男同士の奇妙な連帯感というものは、ときに唐突にやってくるものである。 その日も偶然だった。 若かりし時分、およそ20年前の話になるが、以前に働いていた勤務先での出来事である。 その日、少々、気の重くなる、憂鬱な仕事をまわされたのだが、それは自…
昨日、困ったことに"気づいた"ので、ここに筆をとることにする。ウチは、カミさんとの共通の趣味というのが銭湯に行くことで、月に2、3回、近隣の施設におもむいている。ときには遠出して、温泉につかりに行くこともあるが、ふだんはまあ、市内と隣市、…
少々、残念なことがあったので、ここにしるしておきたい。 今年の夏も終わりにさしかかっている。 この夏の終わりの、なんともいえない物哀しい風情というものが、いったいどこからくるのだろうと、ふと疑問に思うものである。 年初から徐々に気温が昇ってい…
とりとめもない話をしたい。 ほんとうにとりとめもないことなので、ここに書くのもどうかと躊躇ったが、最近、なにかというとチラチラとあたまをよぎることなので、書いて排泄したくなった。 夏の暑い日が続いている。 温暖化の影響とか異常気象とか言われて…