粗忽長屋で蒟蒻問答

無駄な方便、無用の用、脳味噌を棚卸する、そんな雑草咄しと落語と書見

頭から粉

そうじをしていて思うのだが、よくもまぁ、こんなにも髪の毛やちぢれ毛が落ちているものだと感じ入る。

神秘としか思えないのが、タンスの上などから陰毛を発見することだ。

ありえないところに紛れ込んでいる。

どうやってここに? なぜここに? と毎回思う。

本来、下に行くものが、上にある。

怪奇現象である。

 

最近は、頭髪に白髪が多くなってきたので、掃除機のターゲットとしては目立たなくなってきたが、しかし、しっかりと落ちている。

 

ふと思った。

以前、坊主頭にしていた時期が長かったのだが、そのときはどうだったのだろうか?

やはり、確実に落ちてはいたのだろうが、そうじの際の収穫物としては、取るに足らないモノとして認識されていなかったのではないかと思った。

丸刈りは楽だといわれるが、そうじにも貢献していたようである。

この貢献度をかんがみるに、スキンヘッドの方々ほど尽力されている御仁はおられないだろう。

 

ここでもう一度、立ち止まって考える。

そうはいっても人間、髪の毛は抜ける。

スキンヘッドとはいえ、毛根をあまねく完璧に処理することは不可能だろう。

そうすると、頭から粉のようなものが落ちているのか。

 

頭から粉が舞う、この決定的瞬間を目撃した人が有史以来、はたしていたのだろうかと唸ってしまった。

どなたかにカメラでおさめてもらいたい。

気の遠くなる確率だろう。

だが、世紀のスクープとなることは間違いない。